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このブログをフォローする. 彼は、旧江戸川の遺体の身元を探せば、いずれバレてしまうことを指摘しますが、石神はその頃までに自分の裁判が終わり、控訴などしないと決めていました。一方、警察は富樫の殺害、死体の隠蔽などをするのは女性だけでは難しいのではと考え、男性の共犯者がいるのではと疑います。一方、べんてん亭を経営する米沢夫妻は石神の気持ちに気がついていて、それとなく靖子に言いますが、彼女は今いちピンときません。しかし、草薙はどうしても納得がいかず、石神が自首したことを靖子に伝えます。靖子もまた工藤のことが嫌いではなく、美里のことも考えてくれる彼との再婚も頭をかすめます。彼女はダメと分かっていても、美里を守るために従うしか選択肢はありません。いつしか、いつまで自分は石神の目を気にしながら生きて行かなければならないのかと思うようになっていくのでした。その後の調査で草薙は、石神が事件のあった日の午前中、学校を休んでいることを知りますが、事件にはあまり関係ないと判断。彼は自殺を考えていましたが、隣に引っ越してきた靖子と美里に救われ、交わらなくても彼女たちのそばで暮らせるだけで幸せでした。彼は真相に辿り着いたようですが、草薙には教えてくれず、帰ってくれと一人になりたがるのでした。部屋にきた石神は、靖子たちから事情を聞き、死体を自分の部屋に移動させます。さらに靖子と石神の関係性は薄く、上層部は早くも興味を失っていました。石神と靖子は隣人同士で、石神は靖子に恋をしていますが、いつもうまく会話することができません。草薙はこのことを湯川に報告した上で、どうもしっくりこないと自分の意見を言います。石神は自転車を二台盗むと、それでホームレスの男性と旧江戸川まで移動し、そこで殺害して隠蔽工作を行います。その夜、靖子にこれが最後の電話だとして、三通の封筒をポストに入れたからそれに従ってほしいといいます。だから、彼女たちを助けたのは石神にとって当然のことだったのです。これによって犯行時刻は限定され、靖子たちに容疑をかけられても、アリバイがある状態にしたのです。このままでは美里が殺されてしまうと思った靖子は目に入った炬燵のコードで富樫の首を絞め、美里も彼を押さえつけます。また、現場付近では一斗缶の中に燃え残った被害者の着ていた洋服が残されていました。また、工藤のもとにも靖子に近づくなという内容の手紙が来たことが分かり、これも石神からだと思われます。彼は靖子がホステスをしていた頃の客で、彼女のことをいつも気にかけてくれていました。新品の自転車を盗んだのは、放置されている可能性が低く、盗難届けを出してもらえる可能性が高いからです。また草薙から調査の協力を受けていることを話し、それとなく石神を疑うような質問をします。この時、草薙は郵便ポストに帝都大からの郵便物があることに気が付き、自分と同じ出身大学だと気が付きます。彼は靖子に対してストーカーまがいのことをしていて、彼女のために殺害したのだといいます。本来であれば逮捕されるところを救ってもらい、石神に感謝しながら日々を過ごしていた靖子ですが、彼女のもとに工藤という男性が訪れます。これで事件は解決し、もう靖子たちに警察の手が及ぶことはありません。部屋に残された指紋と毛髪が採取され、毛髪は死体のものと、指紋は自転車のものと一致。そこで靖子に接触する工藤に話を聞きますが、草薙の感触では、彼は事件に関与しているようには思えませんでした。その後、湯川は草薙とは離れて靖子と二人きりになり、今回の事件の真実を伝えます。そこで実際に殺人を犯すことで、自分の弱さを捨て、警察からの尋問に耐えられる精神状態を作り上げたのです。しかし、本当の目的は弁当ではなく、そこの店員の花岡靖子でした。石神はその人物にアルバイトをお願いしたいと持ち掛け、富樫が着ていたものを着せた上で彼の泊まっていた宿で時間を潰させます。靖子はゴキブリが出たと誤魔化しますが、少しして今度は石神から電話が入り、彼は彼女たちが殺人を犯したことを見抜いていて、その上で隠蔽に協力してくれるといいます。旧江戸川での殺人事件の犯人は石神ですが、その遺体は富樫ではありません。天才数学者でありながら不遇な日日を送っていた高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。彼女たちが前夫を殺害したことを知った彼は、二人を救うため完全犯罪を企てる。だが皮肉にも、石神のかつての親友である物理学者の湯川学が、その謎に挑むことになる。ガリレオシリーズ初の長篇、直木賞受賞作。ところが、草薙に会ってもらい人物がいると言われ、湯川が現れます。この瞬間、石神の計画は全て無駄になり、獣の咆哮のように泣き叫ぶのでした。その部屋には富樫が泊まっていたため、警察は遺体が富樫として調査を進め、すぐに靖子と美里に辿り着きます。自宅に連れていくと、靖子はお金を渡して二度と来ないでと言いますが、富樫は諦めるつもりなどこれっぽっちもなく、帰宅した美里にちょっかいさえ出します。石神は靖子たちを助けたい一心で必死に論理的思考を働かせ、ある考えを思いつきます。本書はミステリーとしての面はもちろんのこと、登場人物の心情が読者の心を強く揺さぶります。結婚当初こそ富樫は羽振りが良く、優しく見えましたが、会社のお金を不正に使用していたことが判明すると一転、暴力をふるわれるようになり、それが原因で離婚したのです。湯川は、石神が午前休んだ日のことを知り、本当に隠したいことは前日にあったのではと推測。草薙は、湯川が単独で事件を追っていることに気が付き、何か知っているのではと聞きます。また草薙は、石神が共犯者なのではと疑いますが、いまいち靖子との繋がりが見えてきません。靖子はここで、ようやく警察が富樫を殺害した翌日のアリバイばかりを気にしていたのかを知ります。この時点では、湯川はまだ事件への石神の関与を疑ってはいません。その時、工藤が入ってきて石神の表情に嫉妬が生まれ、彼が靖子に恋をしていることに気が付きます。しかし、それでも彼女とその娘の美里がいるだけで彼の生活は潤い、今のままでいいと思っていました。すると、靖子は事前に石神から受け取っていた封筒を草薙に見せます。富樫が殺害されたのは三月九日で、旧江戸川で見つかった遺体は三月十日に殺害されています。しかし一方で、そんなことをすれば石神がなんと言うか分からない。死体は全裸で、顔が潰され、手の指は焼かれて指紋が破壊されていました。靖子は米沢妻が雇われママをしていた店でホステスをしていて、誘われてここで働くようになりましたが、離婚をしていて、恩名で一つで美里を育てるのに手一杯で、その他のことに気を回す余裕がありませんでした。場面は変わり、石神は靖子と美里が引っ越してきた時のことを思い出していました。それから湯川は石神に会い、直接ではないが事件の真相に気が付いたことを伝えます。また妻を病気で亡くし、気兼ねする必要がなくなったせいか、靖子への好意を見せます。これからのことを考えて絶望する靖子ですが、富樫が帰る間際、美里は花瓶で富樫の頭を殴ります。その後、警察の調査の結果、ある宿から一人の男性客が消えたことが分かり、その日付が三月十一日。ところが、湯川は個人的に追っているだけだと協力してくれません。証言は、警察が把握していることと大きな齟齬はなく、おおむね一致しています。草薙たちは慌てて事情聴取をすると、石神は富樫のことを殺害したと自白。高校で数学教師をしている石神は毎朝、『べんてん亭』で弁当を買うのが習慣でした。ある日、湯川は石神のアパートを訪れ、久しぶりの再会を喜び、天才は健在だということを思い知ります。隣に住む石神にも聞き込みをしますが、事件のあった夜は隣に特に不審な点はなかったといいます。引っ越し先の住所を聞かれたため、篠崎にあるアパートの住所だと嘘をついて下水処理場の場所を教えます。しかし、石神が犠牲になったにもかかわらず、自分たちだけが幸せになるなんて出来ません。仮に靖子たちの身代わりになったところで、いつ自白してしまうか分かりません。そして、いかに湯川が相手でも自分の勝ちだと、勝利を確信していました。その後の調査で、自転車は盗難届けが出されている新品で、篠崎駅付近で盗まれたことが判明します。また映画館などアリバイが確実でないところもありましたが、この崩れそうで崩れないアリバイを作ることで、警察にアリバイ崩しに目を向けさせ、死体の誤認から目を逸らさせる狙いがありました。その後、石神は道具を揃えて堤防に向かい、迷って困っている富樫を絞殺。一方、湯川はもし石神が共犯者だとしたらと仮定した上で、必要があれば殺人を犯せる人間であり、相当手強い相手だと草薙に言います。アリバイなど細かく靖子たちに指示すると、後は自分がなんとかすると言い、詳細は明かされません。事件当時、富樫から靖子たちの居場所を聞かれ、もうここには住んでいないと答えます。彼からは、工藤は誠実で信用できるから、結ばれた方が良いという内容の手紙を受け取っていました。湯川はこれから靖子のもとを訪れるのだといい、誰にも言わないという約束の元、草薙に真実を明かします。もし、これから富樫の死体が見つかったところで、警察は旧江戸川の死体を富樫だと誤認しているので、そこから今回のことがバレる心配はありません。死体の身元を特定するのは難しそうですが、逆にいえば、それが出来れば事件は解決すると刑事の草薙は判断。すると湯川は石神のことを知っていて、進む科は違っても天才として一目置いていたといいます。湯川は真実を全て靖子に伝えますが、自首することまでは言いませんでした。事前に石神によって富樫の痕跡は消されていたので、宿に残るのはホームレスと指紋と毛髪だけです。原作の面白さはもちろんですが、映画版も素晴らしいの一言で、特に焦点の当たる登場人物を演じた松雪泰子さん、堤真一さんの演技が光っていました。着いたのは石神たちのアパート付近で、湯川は草薙の尾行に気が付いていました。そして、その遺体の正体は、石神たちが住むアパート近くの河川敷に住むホームレスでした。そこには靖子に異常な執着を見せる石神の言葉が書かれた手紙が三通入っていました。そこでこの記事では、そんな本書の魅力をあらすじや個人的な感想を交えながら書いていきたいと思います。草薙は湯川にこのことを話した上で、石神から言われた『思いこみによる盲点をつく』などの話をします。事情を聞きますが、事件のあった三月十日の夜、二人は映画にラーメン屋、カラオケをはしごしていて、証拠となる半券や証言もあります。
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