パワハラの予防・解決には、当局側もさることながら、組合側も積極的に関わっていくことが大切です。 本サイトでは、自治労が作成したパワハラ資料をはじめ、連合、厚生労働省等で作成された関連資料も多数紹介をしています。 厚生労働省の資料といえば法律用語が並ぶ難解なものや総花的なものなど、ビジネスシーンでは使いにくいものもありますが、この「パワハラ対策事例集」は違います。実にわかりやすく実務的かつ実践的 …
逆に言えば、相手の身体を触りまくったとしても、相手が性的に嫌な気持ちを抱かなければ、それはセクハラではありません。よく言われる意見として、爽やかなイケメン上司が触るのはセーフでも、汚いおっさん上司が触るのはアウト(違法なセクハラ)になるのはおかしいというものがあります。ですが、相談担当者がセクハラに関する十分な理解をしているとは限らず、相談内容がセクハラ加害者に筒抜けになるなど、事態がより悪化するリスクもあります。「今すぐ辞めたい」「気まずいから会社の人と顔を合わせたくない」「もう2度と会社に行きたくない」など、セクハラで追い詰められている人の要望にすべて応えてくれます。職場において上司や同僚等の性的な言動によって性的に嫌な気持ちになったとき、どのように対処したらよいのでしょうか。従って、セクハラ被害を受けた労働者は、労働契約の付随義務に基づき、使用者に対し良好な職場環境の保持を求めれます。セクハラについては、「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」(男女雇用機会均等法)11条1項で次のように規定されています。なぜなら、被害者自身がセクハラであると確信できなければ、苦情を言うこともできず、つらい思いを抱えて泣き寝入りをすることになるかもしれないからです。セクハラ被害にあったときは、まず職場の相談窓口に相談しましょう。場合によっては退職や転職も視野に入れたり、相談窓口や信頼できる人の手を借りて解決していきましょう。厚生労働省が作成した上記指針は「性的な内容の情報を意図的に流布すること」も禁止していますので、隠れて録音をしたり、トイレ休憩を名目に離席してトイレの個室で詳細なメモをとったりすることが考えられます。そして使用者は労働者からの求めに応じて、良好な職場環境を保持すべく最善の努力をしなければならないことになります。したがって、男女に限らず、相手の身体を触るのは避けるべきです。これまで男女雇用機会均等法及び同法に基づく厚生労働省の指針を見てきました。男性が女性を拒絶するのは逆にこちらが悪者に見えてしまう可能性もありますが、不快だと思ったらしっかり伝えるか、社内の相談窓口に行って改善してもらえるよう要求しましょう。 社会的な地位や権力など使い、立場の弱い人に嫌がらせをする「パワーハラスメント」。これを防ぐための法律が、2020年6月1日から施行されるのをご存じだろうか。それが、「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」(略称:労働施策総合推進法 政府、厚生労働省では、中小企業・小規模事業者における働き方改革の実施を支援する取組を行っていきます。 ... 事例集「中小企業の働き方改革の取組み~成功の秘訣 はやわかりガイド~」[pdf形 … 厚生労働省の資料といえば法律用語が並ぶ難解なものや総花的なものなど、ビジネスシーンでは使いにくいものもありますが、この「パワハラ対策事例集」は違います。実にわかりやすく実務的かつ実践的です。新製品体験会や専門家によるセミナーなどのイベント、プレゼント企画にご参加・ご応募いただけます。例えばある企業のパワハラ対策事例には、次のように記されています。厚労省がこの対策事例集をつくった背景には、パワハラの深刻化があります。同省が2012年に職場のパワーハラスメントに関する実態調査を行ったところ、実に32%の企業が従業員からパワハラ相談を受けていました。またパワハラを受けたことがあると回答した者は25%に達しました。このパワハラ対策事例集に掲載されている50事例はどれも示唆に富む内容ですが、そのなかから3事例をピックアップして紹介します。ハラスメントの有無を問うアンケート用紙を嘱託社員や派遣社員を含む全従業員に配布し、そのアンケート用紙は後納郵便で人事部に直送することにしました。さらにアンケート用紙の集計作業では、労組の役員に立ち会ってもらったり、郵便物の投函地域がわからないように消印を削除したりしました。現代の日本企業は、多かれ少なかれグローバル化に対応しないことには生き残ることはできません。グローバル化とは、単に海外市場にモノやサービスを売ることだけでなく、自社のルールを世界基準に合わせることも含まれます。パワハラやセクハラが世界基準から逸脱していることは論を待たないでしょう。最新記事のお知らせ、イベント、読者企画、豪華プレゼントなどへの応募情報をお届けします。そしてこれが最も大きな成果なのですが、S社は業績をV字回復させることに成功しました。社員たちの意識の溝が「土壌」になり、いじめや嫌がらせの「芽」が出て、パワハラに「成長」したのです。信頼関係が築かれていないうちから上司が部下に強く成果を求めれば、部下は大きなストレスを感じるでしょう。次に紹介するY社は東京都にある製造業で、従業員数は2,300人。6つの工場を持ち、社内は「男性中心」「年功的」という特徴があります。「ハラスメントの行為者(強者)にも言い分がある」という観点を持ってしまうと、ハラスメント対策がブレてしまうでしょう。S社はこの取り組みで、職場の風土や働き方が明らかに変わっていきました。そしてこの改革を始めてから3年が経過し、深刻なハラスメントは1件も起きていないそうです。A社の事例からは、非パワハラ職場がパワハラ職場に変わるメカニズムがわかります。ハラスメントが悪い行為であることは明白ですが、行為者が強いので悪いことをやめさせることが難しいのです。そこで社内で最も強い人、つまり社長がハラスメント対策チームのトップに就かなければならないのです。しかし男社会の運輸業に女性が進出すれば、ハラスメントリスクが高まります。最初に紹介したいのは、東京都にある従業員30人のサービス業A社のパワハラ対策事例です。A社は業種を公表していませんが、その業界では老舗と呼ばれ、企業ブランドを確立しています。少数精鋭の企業といえるでしょう。ところが経営環境の変化や人の入れ替わりなどを経て、会社の雰囲気が変わっていってしまったのです。まずパワハラ防止研修を実施し、社員たちの意識改革に乗り出しました。そして就業規則を社会保険労務士の監修の下つくりかえ、「パワハラ防止」の文言を入れたのです。A社には従業員が30人しかいないので、全員が知り合いになります。少人数の組織は、雰囲気がよいと強いチームワークを生みますが、雰囲気が悪化すると一転して「疑心暗鬼集団」に変わってしまいます。日本のスポーツ界では、根性論や精神論が横行していました。しごきやいじめは選手の精神を鍛え、試合本番のプレッシャーに負けない心をつくる、と信じられてきたからです。ときに体罰すら容認されてきました。そこでY社では、人事部がハラスメントアンケートの集計を行うときに、「末端労働者の味方」である労組に立ち会わせたのです。このひと手間を加えるだけで、社員は「このハラスメント対策は公明正大に行われる」という印象を持ったことでしょう。しかし現代スポーツでは、しごきもいじめも体罰も、スポーツスキルを上げるものではないことが証明されています[2]。ビジネスシーンでもまったく同じことがいえるでしょう。パワハラは威圧によって仕事をさせる手法であり、働きにくさを生むだけでとても生産性を上げる手段とはいえません。社長が女性だけから意見を聴いたことは、男性を逆差別しているという批判を生みかねません。しかしハラスメント問題は、強者が弱者をいじめる構図です。つまりハラスメント対策に乗り出す者は、弱者に寄り添う必要があるのです。S社の社長は「男社会の殻を壊し、女性社員に活躍してもらわないと」会社の未来がない、という強い危機感を抱いていました。社長がそれらの改善点を実行に移す一方で、女性従業員たちも自分の職場で改革の旗振り役を買って出ました。社内の歯車がよい方向に回り始めました。A社はまさに、少人数組織のメリットがデメリットに変わってしまったのです。そしてY社は、ハラスメント被害者が報復を恐れていることも理解していたはずです。そこで告発者が特定できないように、アンケート用紙の郵便物の消印を削除してから集計作業に入りました。小さな組織ゆえに「いわずもがな」で進んでいたところを、はっきり言葉に出してパワハラ防止対策に乗り出しました。厚労省は、職場でパワハラが深刻化しているのは、IT化によって人間関係が希薄になったことと、成果主義が広まったことが2大原因とみています。「働き方改革」という言葉が職場に広がっていることは喜ばしいことですが、パワハラを撲滅しないことには働き方を検討することすらできないはずです。A社にパワハラが横行する前に、「打ち合わせが静かになった」と感じる社員がいたといいます。自由闊達な議論ができなくなったことが、パワハラの兆候だったわけです。社長は全事業所にライブ中継でハラスメント防止対策に乗り出すことを訓示。「ハラスメントとは思わなかった」「嫌がらせのつもりでやったわけではない」といった言い訳を許さない、という方針を明確に打ち出したのです。こうした取り組みの成果が出て、「会社をハッピーな場所にする」「ストレスなく働けるようにする」「仕事をやり遂げたときにみんなで喜びあおう」という機運が再び盛り上がってきました。研修では単なる知識の押し付けにならないよう、ロールプレイ方式を採用しました。研修の参加者がハラスメント行為者、被害者、傍観者の役になり、「ハラスメント物語」を演じるのです。これにより「ハラスメント関係者」の感情を共有できるようになります。しかしそれは高度経済成長期やバブル景気など、「パワハラがあろうとなかろうと儲かっていた時代」の成功にすぎません。A社の社長はこれまで、職場のマネジメントは職場長に任せるスタンスでしたが、それをあらためました。従業員3万人の大企業でも、1つの仕事を3万人でするわけではありません。30人の職場が1,000個集まったのが大企業だとすれば、いずれかの職場が「A社化」する可能性は十分あるのです。Y社でも、先ほどみたA社同様、社長がハラスメント対策の陣頭指揮を執りました。A社は中小企業ですが、同社が残した教訓は大企業にも通用するはずです。社長の本気度を理解できた女性従業員たちは次々と、職場改善や新サービス、接客方法の改善点などを提案しました。さらに罰則規定やパワハラを監視する委員会などの対策を矢継ぎ早に打ち出すことで、会社の不退転の決意を示したわけです。また特別なケアを加えることなく工場の女性従業員を増やしたことから、セクハラも発生させてしまいました。また、トップに近い存在のメンバーがグループを形成すると、強い権限を持つようになり、それがパワハラのエネルギー源となってしまうこともわかります。Y社の事例報告書には、対策によってハラスメントがどれほど減ったのか、といった成果は記されていませんでしたが、学べることは多いでしょう。運輸業は人手不足が深刻な業界として知られ、S社も例外ではありません。そしてS社の場合、人手不足によって売上の低迷を招いていました。ハラスメント対策を「コスト」と考えるか「投資」と考えるかは、経営者次第です。コストと考えてしまうと、対策は後ろ向きになり成果を上げにくいでしょう。投資と考えればハラスメントの駆逐を「てこ」にして会社の活力を高めることができます。Y社は、年長者が「かつて自分が受けた指導法」で若年社員を指導する態勢がパワハラを生んでいたと自己分析しました。つまりハラスメントという言葉がなかった時代のハラスメント的指導法が、「男性中心」「年功的」という伝統とともに受け継がれてしまったのです。それでもパワハラ容認論が消えないのは、先輩社員に厳しく指導されてきた「パワハラ育ち」世代の成功体験があるからでしょう。雰囲気のよい職場は、コミュニケーションが濃厚であることが多いでしょう。濃厚なコミュニケーションは普通は強みになりますが、歯車が狂うと他人に対する強い関心があだになり軋轢に変わってしまうのです。一般的に人事部という組織は、末端のスタッフより、ハラスメント行為者になりやすい管理職に近い存在です。例えば人事異動は、人事部と管理職が相談をして決めます。いかがだっただろうか。パワハラという問題を真摯に考え、その対応に取り組むことが、結果的に会社の業績も上げることにつながるということでもあるのだ。著者はS社が、ハラスメント対策の方針を男女平等にしなかった点に注目しました。Y社は恐らく「ハラスメントの行為者は強い」ということを前提に対策に乗り出しています。以前のA社には、仕事の進め方でも製品の品質管理でも、社員が自由に意見をいえる雰囲気がありました。それは、「従業員たちが意見をぶつけないとよいものはつくれない」という精神が根づいていたからです。そこで女性からのみ意見を集めることにしたのです。10数カ所の拠点で働く女性従業員を幾度となく本社に呼び、社長自ら「働きやすい職場にするにはどうしたらよいか」「業績を伸ばすにはどうしたらよいか」を尋ねました。アリバイ的にハラスメント対策に乗り出すのではなく、S社のように本気でハラスメントの駆逐に取り組めば、会社は顕著によくなります。社会問題として取り上げられる、パワハラ。どんな職場でも起こりうるこの問題の対策について、事例を参考に対策を考察するのは、非常に有益なことであろう。同社の分析では、社長の判断を直感的に理解できる古参社員と、そうではない社員の間に溝ができたことが原因でした。S社はハラスメントの対象になりやすい女性を「守る」だけでなく「戦力」に変えてしまったのです。その結果、ハラスメント対策が業績回復につながりました。そこでS社は女性従業員を増やすことでこの難局を乗り切ろうと考え、その結果、全従業員の20%が女性になりました。企業の人事系の部署の社員のなかで、厚生労働省が作成した「職場のパワーハラスメント対策取組好事例集」が密かに話題になっています。パワハラを乗り越えた企業の「体験談」がつづられていて、社内のハラスメント問題に取り組む担当者には有効な資料となるでしょう。S社は従業員370人の東京都の運輸業で、全国に10数カ所の拠点があります。パワハラが横行しながら、パワハラ対策がなされていないことが浮き彫りになったのです。「創業者である代表の判断や意思決定を直感的に理解できる古参社員と、そうではない社員のあいだの溝が生まれる危険性も増してきていた」