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冒頭の金丸氏の言葉に戻ると、組織としてはリーダーを育成する責務がある。フューチャーの場合、若い時からチャンスを与え、そこから上がってきた人間に対してはさらにチャンスを与えていく。IT投資の判断をシステム部門の責任者に任すと、サラリーマンのため失敗を恐れる。そのため実績がある会社に、他社にも納入実績のあるシステムを発注してしまいがちだ。これでは挑戦的なIT投資などできるはずもない。トップがITの価値を理解し、決断を下すことで、初めて戦略的投資が可能になるということだ。「日本にはリーダーが育ちにくいと言いますが、それはチャンスを与えていないからです。つまり分母そのものが小さいから、リーダーが育ってこない。そこで当社では、20代の後半から、実力に応じたプロジェクトのリーダーに任命します。当然、チャンスを与えれば、一定の失敗と一定の成功が出てきます。でも失敗したとしても、最初なら小さな失敗で済ませることができます。そして成功すれば、次にもっと大きなチャンスを与える。そうやって、今の実力以上の仕事を任せることで、個人のスキルやノウハウがストレッチされていく。その繰り返しです。重要なのは、若い頃からリーダーとして登用すること。サラリーマン時代の私が16ビットパソコンの開発リーダーとなったのは28歳の時です。それを考えれば、20代が早過ぎるということはありません。もう一つは、誰にでも平等にチャンスを与えること。この2つを心掛けています」そのリーダーシップは、金丸氏を財界活動に引っ張りこんだ牛尾治朗・ウシオ電機会長など、財界の重鎮も高く評価する。© 2020 経済界ウェブ All rights reserved.金丸氏本人は、「トレーニングも育成もされた覚えはないけれど、いつの間にかリーダーになっていた」と自らを分析する。「分解・整理することで優先順位が見えてくるし、誰に担当させればいいか分かってくる。スキルがそれほど必要でない仕事はスキルのまだ低い人に任せ、難しいところはスキルの高い人に任せる。そして私は、残った部分やほかの人ではうまくいかないところを担当する」日本を代表するITコンサルティングファームであるフューチャーの金丸恭文会長兼社長は、20代からIT業界で頭角を現した。他の会社が引き受けたがらないような案件でも、チームをまとめ、実績を残してきた。そのリーダーシップを金丸氏はどうやって身につけたのか。そしてフューチャーでは、どうやってリーダーを育てているのか。金丸氏に聞いた。 文=関 慎夫 Photo=佐藤元樹金丸氏がIT業界に名乗りを上げたのは、起業前、在籍していた会社で、セブン-イレブンの情報システムを設計したからだ。この時の条件は、納期は短いのに予算は安いというもの。しかも当時既にセブン-イレブンのシステムは日本一との評価を得ていたから、それを更新するとなると技術的なハードルも相当高かった。この仕事を振り返って金丸氏は「二度とやりたくないと思うほどきつい仕事だった」というが、それでもやり遂げられたのは、チームの金丸氏に対する厚い信頼があったためだろう。「デシジョンのスピード、大きさ、タイミング。世界のリーダーと日本のリーダーを比べると、ここが大きく違います。そしてこれは、起業家だけの問題ではありません。ジャック・ウェルチのように、創業者でなくてもGEを大きく変えた経営者はいます」金丸氏は難問を前にした時、まず難問を難易度別に分解・整理することから始めるという。「育てられるといえば育てられる、育てられないといえば育てられない。どちらも正解ですね」「厳しい条件でしたができないことはないと思いました。ただ自分だけがそう思ったのでは意味がないので、チームのメンバーの意見を聞いたところ、『やれる気がする』『やってみよう』という返事が返ってきました。そこで引き受けることに決めました」鹿児島県立甲南高校時代、金丸氏はハンドボール部で活躍していたが、どうしても勝てない強豪校がいた。3年生でキャプテンとなった金丸氏は、どうやったら勝てるか真剣に考え、相手の戦術やくせを徹底的に分析、ポイントゲッターだった金丸氏がおとりとなり、他の選手を生かすことで、見事勝利を収めたという。これも自分たちと相手のプレーを分解・整理した成果だ。「社内のコミュニケーションひとつとってもそうです。昔なら社長が社員とコミュニケーションを取るのは難しかった。ですから組織が大きくなると、必然的に上意下達にならざるを得ませんでした。ところが今ではITを駆使することによって意思疎通ができるようになった。ですから今フューチャーには2千人の社員がいますが、昔の200人規模の会社と同じくらいの密度で接点を持つことが可能です。このように、ITによって世界は大きく変わりました。しかし日本の経営者の中で、そういう認識を持っている人がどれほどいるでしょうか」フューチャーは、ITを利用して企業の課題を解決する、日本初のITコンサルティングファームである。ITが導入されたことで、企業経営は大きく姿を変えた。それと同時に企業経営者の在り方も変わらなければならないのに、日本ではなかなか変わらないと金丸氏は警鐘を鳴らす。「この時もやり方は同じです。役人が得意なことは何か。私が得意なことは何か。それを全部分けて、任せていいものは任せる。その一方で交渉など、私が得意なのは私が担当する。役人に投げっぱなしにはしていません」「中小企業経営者で、IT武装は自分の責任と思っている人がどれだけいるか。あるいは大企業でも、ITはCIOの責任と言って、自分からは切り離してしまう。とても残念です」このように、問題を分解・整理してチームを動かすという手法を、金丸氏は高校時代から身につけていたという。それを踏まえて金丸氏に、これからの時代に不可欠なリーダーの資質について聞いてみた。「天性のリーダーというのは確かにいます。これまでいろいろな経営者に会ってきましたが、会った瞬間にこの人はリーダーだと感じる人もいます。でもこういうリーダーは教えて育つものではありません。その一方で組織として考えた場合、リーダーを育てることは非常に重要です。天性のリーダーとは違うタイプですが、きちんと育成することで、会社を継続・発展させることができるのです」この世代は、幼い頃から家庭にパソコンがあり、気づいた時にはインターネットを利用していた。ITとは日常そのもので、特別なことと考えていない世代であり、それだけにIT抜きの企業経営などあり得ないことを知っている。彼らが活躍することで、日本社会は大きく変わるかもしれない。「少し前までは、寄らば大樹の陰と考える人が大半でした。それがここにきて、起業を志す若い人が増え始めています。彼らは世界が大きく変わっていることを認識し、そこで自分の力を発揮したいと考えている」今ではスタートアップ企業にしても最初から世界を意識せざるを得ない。そうであるなら、デシジョンも世界標準にする必要があるということなのだろう。金丸氏は政府関係の委員も数多く務めているが、規制改革会議では農業ワーキンググループ(WG)の座長を務めた。現在、政府が進めている農業改革は、このWGがまとめた提言がもととなっている。その素案は、農協の中央組織の役割を弱める画期的なものだったが、この取りまとめは金丸氏の活躍なしにはあり得なかった。フューチャー(事業会社はフューチャーアーキテクト)の金丸恭文会長兼社長に、リーダー育成法に聞いた時に真っ先に返ってきた言葉だ。続けてこう語る。ITが経営の重要なツールになったのであれば、経営者にはITに対する深い知識と造詣がなければならない。そのことを金丸氏は起業時から訴えているが、なかなか変わらないという。 itコンサルの中でアクセンチュアやアビームコンサルティングなどの大手企業は多数あるのでそれらの企業との違い、何故フューチャーアーキテクトなのかを話せるようになることが重要である。会社hpや会 … 旧デロイトコンサルティングが日本で独立を遂げたのがアビームコンサルティングです。顧客に寄り添う長期視点のコンサルティングを志向しており、アクセンチュアと同じく近年ビジネスを急拡大しています。超大手ソフトウェア企業である独SAPとパートナーシップを結んでおり、システムインテグレーションを強みにしています。アビームはヘッドクォーターが日本にあるため、日本を起点に積極的な海外展開を行っています。社員の方によると、海外に行きたいといったらすぐにアサインしてもらえる」とのことで、海外志向の就活生は要チェックな企業ですね。社員の方は穏やかな方が多いです。業界の代表的なファームがこのアクセンチュアです。120カ国以上に拠点を構え、各国で約6000件の特許を取得しているグローバル企業で400億ドル以上の売り上げを計上しています。アクセンチュアの特徴は一気通貫したコンサルティングにあります。一般的に大手ITコンサルファームはシステム開発を外注する傾向にありますが、アクセンチュアは自社内に開発部隊を用意しており、サービスの高い品質を保持しています。就活で特筆すべきはその採用枠の大きさで、300人以上の新卒採用を行っており、コンサルファームによる採用としては最大規模です。近年は就職人気ランキングにも上位に位置しているため、徹底的な対策が欠かせません。社員の方は挑戦的ながらもチームワークを大切にされている印象でした。日本IBMはSIer、ソフトウェア、ハードウェアを製造するITメーカーですが、コンサルティングファームとしての一面も持ちます。コンサルティングを担うのがGBS(グローバルビジネスサービス)で、これは旧PwCコンサルティングを買収、内部化した組織です。IBMのテクノロジーを活かしたコンサルティングを得意としており、AIの代表格であるWatsonは業界で大きな存在感を放っています。コンサルファームでありながらIT企業でもあるため、知識共有にオープンな社風となっています。IBMは選考プロセスが短くスピーディーであるため、就活生の負担が少ないのはありがたいですね。IT市場は今後コンサルタントの追い風となる形で拡大していくのではないかと考えられます。というのも、これまでのSIビジネスは富士通、日立などITベンダーが主役でした。各企業に独自のシステムを構築し、その構築と保守で売り上げを獲得してきました。しかしこのシステムは「コストセンター」と認識されており、クライアントはIT費用の圧縮を強く要望してきました。その要望に応える形で急速に拡大しているのが、パッケージソフトとクラウドです。代表的なサービスには、「SAP」、「Amazon Web Service(AWS)」があります。パッケージソフトは案件ごとにプログラマーやエンジニアを大量に集めて構築する必要がなく、クラウドは保守管理のコストを大幅に圧縮できます。なぜこのトレンドがコンサルタントに有利かと申しますと、これらのITソリューションはクライアントの業務改善と深く結びつくためです。例えば基幹システムを導入する場合、伝統的なSIerは顧客のビジネスに合わせてシステムを構築するサービスを提供していましたが、パッケージソフトでは顧客の業務も改革しつつ、パッケージと調和させていきます。そのため、業務の分析に長けたコンサルタントの需要が大きくなるのです。総合系コンサルファーム各社がIT領域のサービスを拡大しているのも、この需要拡大が大きな要因になっています。成長を続ける企業向けITソリューションを経営的観点から活用するコンサルタントの重要性は今後も高まっていくと考えられます。新しいテクノロジーやクライアントの業務を勉強し続けるタフな仕事ですが、ぜひ一度検討されてはいかがでしょうか。数あるコンサルティング領域の1つ、ITコンサルティング。「ITで何か問題を解決するんだろうけど、具体的に何やってるのかわからない」という就活生の方も多いのではないでしょうか。今回はITコンサルタントの具体的な仕事内容と、アクセンチュア、日本IBM、アビームコンサルティングの主要3社の違いを紹介していきます。フューチャーアーキテクトは日本初のITコンサルティング会社です。アクセンチュアと同様、自社内の開発部隊を擁し、一気通貫のコンサルティングを提供しています。特徴として、ITエンジニア目線を大切にしたコンサルティングを入社後経験できるのは大きなポイントです。余談ですが、筆者が就活で訪れたオフィスの中で、フューチャーアーキテクトのインパクトは群を抜いています。入口に滝が流れ、大きな植物のわきを通ってカフェ調の空間が広がっているという構造は未来的なイメージにぴったりですね。
All Rights Reserved.「年収が気になる」「各ファームの違いが知りたい」という方は必見です。経営戦略だけでなくITや業務、財務などのコンサルティングも請け負うのが特徴です。社内異動によって幅広い案件に携われるメリットがあります。また、どのようなコンサルティングファームにおいても「仕事で必要な知識は自分で吸収していく」姿勢は当然求められます。そのため、特にITコンサルを目指す方はIT技術への適性があるかを必ず把握しておきましょう。総合コンサルとは異なり、ITに特化したサービスを提供しています。一般的にSE(システムエンジニア)がシステムを設計・開発してクライアントに納品するのに対して、ITコンサルタントはシステム設計・開発を通してクライアントが抱える経営問題を解決していくことまで求められます。外資・日系トップ企業を目指す学生のための就職活動サイト「外資就活ドットコム」
「戦略コンサルを説明してください」皆さんはこの質問に答えられますか?若いうちから経営戦略に関われるコンサルタント、でも業界の詳しい分類はわかりにくいですよね。そこで本記事ではコンサルティング業界の5つ分類や各企業を解説します!
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