慣れてきたら(3)ラ行変格活用~動詞は5つのみ.
ラ行変格活用は、活用語尾が次のように変化する。 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形 ら.
数ある活用パターンも、残すところ3つです。ほぼ特殊な活用ですが、ラ行変格活用(略称ラ変)の動詞は頻出単語でもありますから是非おさえておきたいとこ … この活用のしかたは、ラ行四段活用(ら・り・る・る・れ・れ)と比べると、終止形だけが異なっています。 このような活用のしかたは、「あり」「居り」「侍り」「いまそかり」だけに見られる変則的な活用なので、ラ行変格活用と呼びます。 ある単語(品詞)がどのような活用をするかは、これから学んでいく重要な事柄の一つです。 先回りして説明しておくと、活用がある語は動詞・形容詞・形容動詞・助動詞の4品詞ですが、それぞれ活用のしかたがちがいます。. ラ変動詞は「あり」「をり」「はべり」「いますがり」の4つです。 意味. 「ありおりはべりいまそかり」は、古典の授業で習った記憶があることと思います。全てラ行変格活用の動詞です。「ありおりはべりいまそかり」と、「り」の繰り返しがリズミカルで耳に残っている人も多いのではないでしょうか。各語の意味や使い方を解説します。 ラ行変格活用の動詞は、ら・り・り・る・れ・れと活用します。ラ行変格活用になる動詞は「あり(在り)」「をり(居り)」「はべり(侍り)」「いま(在)そかり(いまそがり/いますがり/いますかり)」の4語です。現代語ではラ行変格活用はありません。 -授業で聞いたこともあるかと思いますが、未然形は後ろに打消しの「ず」が接続するときの形。「伸ぶ」は上二段活用で「子音(b)+i・i・u・uru・ure・iyo」となりますが、「述ぶ」は下二段活用(e・e・u・uru・ure・eyo)です。竹取物語など、古い作品では「まうでこ(出てきなさい、の意)」のように「こ」と書かれていますから、「こ」「こよ」とも覚えておくことをおすすめします。活用語尾の母音に注目すると、1文字目がイ段ばかりであることに気づくと思います。あまり使われませんが、「いまそかり」「みまそかり」という動詞もありますので「ありをりはべり・いまそかり・みまそかり」とセットで覚えてしまいましょう。下二段動詞も四段動詞と同じく、含まれる動詞の多いグループです。このように、ひとつの動詞がいろいろと形を変えることを「活用する」といいます。これは口語(現代の話し言葉)でも、文語(古典の書き言葉)でも同じです。上一段活用ではイの一段のみを使うので「(五段あるうち)上のほうの一段」の意味で上一段と呼ばれています。上一段活用と同じく語幹と活用語尾の区別がなく、「ける」ごと活用していきます。下二段はウ・エの二段を使うので「(五段あるうち)下のほうの二段」ということです。連体形は後ろに体言、つまり「人」や「こと」といった名詞が接続するときの形。四段活用は「a・i・u・u・e・e」でしたから、違うのは連体形と已然形だけだということがわかると思います。活用にはいくつか種類がありますが、まずは4つだけ覚えることをおすすめします。ですが、活用表が頭に入っていると今後の読解が本当にスムーズに進みます。動詞ごとに、たとえば打消しの「ず」を接続して未然形を考え、下二段動詞なのか、上二段動詞なのか識別する必要があります。最後におさえたいのは、下一段活用です。変格活用ではないのですが、あてはまる動詞が「蹴る」1つしかない変わり種です。たとえば「恋ふ」という動詞がありますが、活用するのは「ふ」の部分。数ある活用パターンも、残すところ3つです。ほぼ特殊な活用ですが、ラ行変格活用(略称ラ変)の動詞は頻出単語でもありますから是非おさえておきたいところです。混同せず、きちんと分けて覚えることが大切ですから、あせらず確実に身につけていってくださいね。カ変ともまた違うパターンで「せ・し・す・する・すれ・せよ」と変わっていきます。これさえ覚えれば、子音をプラスするだけで四段動詞はいつでも活用できます。さらに、上一段動詞で特筆すべきは「語幹と活用語尾の区別がなく、子音+活用パターンですべての動詞が活用できる」ということ。あ・い・う・う・え・え、まずはこの母音を唱えて暗記してください。未然形から順に「求め(ず)」「求め(けり)」「求む」「求むる(時)」「求むれ(ども)」「求めよ」となります。そのため、この活用パターンは下二段とよばれています(まだ覚えなくてかまいませんが、上二段活用という活用パターンもあり、このときはイ段とウ段の母音を使うので「上のほうの二段の母音」と「下のほうの二段の母音」で区別しています)。四段活用の記憶をふまえて、例外的な連体形・已然形を注意して覚えるようにしましょう。特に下二段活用の場合、ア行下二段活用の「得(う)」という動詞が母音パターン「e・e・u・uru・ure・eyo」と完全に一致した活用をします。ラ変に含まれる動詞はほかに「をり(居り)」「はべり(侍り)」があります。活用表の暗記も終わりが見えてきました。ここで、ナ行変格活用(略称ナ変)を見ておきましょう。たとえば「見る」という動詞は、「みる」全体が「子音(m)+i・i・iru・iru・ire・iyo」と活用していきます。「み」が語幹として独立していないのです。活用する際、アイウエオのどの母音の段を使う活用か。その段によって、活用タイプを分類しているのです。たとえば「あり」の場合、語幹の「あ」にこの活用語尾がつくことになります。いかがでしょう。覚えることが多く、他教科とのかねあいも気になるかと思いますが、地道に覚えていけば知識が読解を助けてくれるようになります。つまり、「言は(ず)」「言ひ(たり)」「言ふ」「言ふ(者)」「言へ(ども)」「言へ」というように、ハ・ヒ・フ・ヘの音を使う「ハ行の音で母音を四段使って活用する」動詞ということです。下二段活用も四段活用と同様、母音の活用パターンが覚えられればマスターできたも同然です。この5つの動詞はすべて、「語幹(あ、を、はべ、いまそか、みまそか)+ら・り・り・る・れ・れ」で活用できます。カ変と同じく特殊な活用をする語として、「す」のサ行変格活用(サ変)も覚えましょう。このため、上一段動詞では、活用表の上部にある「語幹」の欄には無しを意味する○が入ります。そうなれば読解は格段に易しくなりますから、今は我慢の時と思ってこつこつ取り組んでください。というのも、この動詞は語幹と活用語尾の区別がなく、語全体が活用するので「え・え・う・うる・うれ・えよ」となるのです。先ほども述べましたが、四段活用の動詞ではア・イ・ウ・エ段の母音を使います。辞書に載っているのは「言う」という形ですが、日常会話では「言わない」とか「言いました」「言えば」などの形でも使われますね。「得(う)」の活用は下二段活用とまるきり同じ。ほかの動詞は子音をプラスするだけ。そう覚えるのも手だと思います。なお、未然形に活用した動詞に接続する助詞、助動詞は「ず」以外にも多数ありますが、今回は動詞にフォーカスしますので割愛します。「e・e・u・uru・ure・eyo」と、1文字目にはウ段とエ段の母音のみが出てきますね。さて、四段活用と下二段活用は適用できる動詞の多い二大パターンでしたが、特殊な活用をする動詞も2つだけ覚えておいてください。 1つは口語の「来る」に相当する動詞「来(く)」、もう1つは口語の「する」に相当する「す」です。まずは4種類の活用パターンを覚えるところから、こつこつと古文に取り組んでみてください。「け(ず)」「け(けり)」「蹴る」「蹴る(時)」「蹴れ(ども)」「蹴れ(ば)」となりますが、口語の「蹴る」とはだいぶ違う活用なので戸惑われるかもしれません。たとえば四段活用ならア・イ・ウ・エの四段を使うため、「四段活用」と呼ばれます。この4つをきちんと覚えてから、徐々に活用表全体を頭に入れていきましょう。上一段動詞に含まれる動詞はすべてこうです。みる・きる・ひるなど、動詞そのものがイ段の音から始まるのも特徴です。私たちがふだん使う動詞、たとえば「言う」という動詞について考えてみましょう。上一段動詞の語幹はいつも○ですから、活用表の中でも探しやすいと思います。活用語尾の1音目がすべてエ段の音なので、下一段活用と呼ばれます。- Copyright (c) MOSHIMO STUDIO All Rights Reserved. ※助動詞「べし」「らむ」などはふつうは終止形接続ですが、ラ変は連体形接続ラ行変格活用の活用表です。未然形は「ず」、連用形は「たり」、連体形は「とき」、已然形は「ども」に続く形です。今回は古文動詞のラ行変格活用(ラ変)に関するまとめと、活用表の問題です。変則的な活用をする、ラ行変格活用の活用のしかたを確認しておきましょう。「ら・り・る・れ(ア段・イ段・ウ段・エ段)」と四段にわたって活用していますが、終止形が「り(イ段)」になっているのが四段活用と異なるところです。問2 [ ]内の現代語の意味になるように、( )内の動詞を活用しなさい。ラ行変格活用になる動詞は「あり」「をり」「はべり」「いまそかり(いまそがり、いますがりなど)」の4語です。ふつう動詞はウ段で終わりますが、ラ行変格活用の動詞は終止形が「り」で終わります。※「已然形+ば」で順接の確定条件(~ので)、偶然条件(~と)など・ラ行変格活用は「あり」「居り(をり)」「侍り」「いまそかり」・「べし」「らむ」「めり」「まじ」など終止形接続の助動詞は、ラ変では連体形接続になる「侍り」は「あり」「居り」の謙譲語、「いまそかり」は「あり」「居り」の尊敬語です。 動詞のラ行変格活用. ラ行変格活用の活用形を覚えると、似た活用形の他の品詞の活用を覚えることにも役立ちます。 ぜひ暗記しましょう。 ラ行変格活用の動詞 ラ変動詞. 紫式部, 源氏物語, 単語, 古文単語, 大鏡, 解説, 意味, 花山院の出家, 玉鬘, ラ行変格活用, さり, 然り, ベネッセ全訳古語辞典 改訂版 Benesse 全訳読解古語辞典 第四版 三省堂