『網走番外地 北海篇』(あばしりばんがいち ほっかいへん)は、1965年の日本映画。主演:高倉健、監督:石井輝男、製作:東映。1965年度の配給収入第2位 。 『網走番外地』 (あばしりばんがいち)は1965年 4月18日、東映の製作・配給により劇場公開された日本映画。主演高倉健。 監督石井輝男。 東映。
大雪原にぽっかりと開いた大穴。雪まみれになって這い上がってくる橘。「寒くなんかないよ!」橘は凍えながら大雪原を歩いていくのだった。翌日、ペンケサップを目指すおんぼろトラック。荷台には、曰くありげな依頼人の安川と金田の二人が正体不明の荷物と一緒に乗り込み、さらに、弓子までもがトラックに隠れて乗り込んでいた。最寄の町で弓子を降ろそうとする橘に、ギャングの正体を現した安川は拳銃を突きつけ、おとなしくペンケサップまで走らせろと脅す。再度目的地を目指すトラック。しばらくすると、雪道から男(浦上)が現れ、強引にトラックに乗り込んできた。トラックは街を離れてペンケサップの山に入る。雪原で橘と弓子に積荷を降ろさせる安川。積荷は覚醒剤の材料の偽装であり、野外で覚醒剤の精製作業を行い、ヘリコプターの迎えでこれを手渡すのが、この特別便の目的だったのだ。精製作業を橘と弓子に手伝わせたあと、安川は用済みになった二人をブレーキの効かなくなったトラックごと始末しようとする。山の斜面を猛スピードで駆け降りていくトラック。だが、猟銃から放たれた数発の弾丸がトラックの暴走を食い止めた。命からがらトラックを降りた橘と弓子に、マタギ姿の男が近づいてきた。男は鬼寅だった。鬼寅もまた仮出所して、猟師になって隠遁生活をしていたのだ。弓子は、メモ用紙に悪党に誘拐された旨を書く。安川は弓子を押し倒そうとするが、逆に弓子に急所を蹴られてしまう。橘がトラックに着いた頃にはすっかり日が暮れてしまっていた。炭焼き小屋で一晩待つ事となった橘達。金田は、貴子を妙に丁重に扱い、気遣いを見せる。翌朝、橘達は乗り上げたトラックを道路に戻す作業に取り掛かる。だが、金田の運転ミスによって、トラックは浦上を轢いてしまう。瀕死の浦上を、雪江は必死に介抱する。浦上は、自分が網走を脱獄した身であると橘に告げる。橘はそれに気づいていた。そして、俺に泣いてくれたのは実の母親と雪江だけだと語り、俺なんかに比べれば、あんたなんか全然ましな身の上だよと雪絵を励まし、息を引き取る。雪江は絶命した浦上に寄り添い、自分は旅館の女中ではなく売春婦であると明かして嗚咽する。橘達は、浦上の亡骸を遺言どおり、雪の中に埋めた。 「網走番外地 北海篇」の解説、あらすじ、評点、24件の映画レビュー、予告編動画をチェック!あなたの鑑賞記録も登録できます。 - 伊藤一の原案を「網走番外地 望郷編」の石井輝男が脚色・監督した“網走番外地”シリーズ第四作目。撮影もコンビの稲田喜一。 今回は石井輝男監督1965年製作「網走番外地 北海篇」をピックアップする。本作は網走番外地シリーズ第4作である。内容は、任侠ものではなくジョン・ウェイン主演の西部劇「駅馬車(1939年ジョン・フォード監督)」をモチーフにしたロードムービーにしたそうだ。 伊藤一の原案を「網走番外地 望郷編」の石井輝男が脚色・監督した“網走番外地”シリーズ第四作目。撮影もコンビの稲田喜一。北海道北端の網走刑務所--。殺人傷害八年の刑で服役していた橘真一は、所内で起った脱獄騒ぎには眼もくれず、真面目に務めあげ仮出獄となった。さしあたって行くあてもない橘は「社長が俺の保釈金を出してくれる筈だ」という病身の葉山の願いをかなえてやろうと、釧路港の志村運送店へ赴いた。ところが、そこは運送店とは名ばかりで、オンボロトラックが一台あるきり、とても保釈金を出す余裕などなかった。そんなところへ、オホーツク海側の港町に荷物を運べば莫大な費用を出す、という男安川と金田がやって来た。ちょうど思案にくれていた橘は、葉山の保釈金を得るために、その危険な仕事をかってでた。安川と金田、それに志村の娘弓子を同乗させて、橘の運転するトラックは、雪の荒原を突走った。が、途中荒原で待ちうけていた脱獄囚の浦上が乗りこみ、さらに、小さな村にさしかかった橘たちの車は、警官に止められ、足を骨折したという幼い女の子エミとその姉で売春婦の雪江を港町の病院に運んでくれるように頼まれた。それからしばらくいった山道でトラックは、新進歌手をともなって心中し、生きのこった小谷本命寺管長の令嬢貴子に会い、橘が様子を見に降りたのに業を煮やした安川は、金田に運転させて、橘を残して車を出発させた。しかし不馴れな金田は崖道で車輪を踏み外し、さらに車をなおそうとした浦上をも、車輪に巻きこんで死なせてしまった。仕方なく安川はまた橘を呼び返した。だが、この事件でことの険悪なのを察した橘は、峰の頂上に居合わせた網走仲間の老侠徒鬼寅を乗せて、安川と金田を制圧しようとした。その甲斐あってトラックは大事なく目的地に着いた。そこで橘は、安川が阿片業者であることを知った。積荷は阿片だったのだ。安川は秘密を知った橘ら同乗者を殺そうとした。だが貴子をめぐって仲間割れを起し、安川に射たれた金田の拳銃を奪った橋の活躍と鬼寅の助力で、麻薬団は全滅した。町へ行くヘリコプターが定員過剰で一人荒原に踏みとどまった橘の口から、あのなつかしいメロディーが流れていた。--その名は網走番外地。パスワードを再設定いただくためのお知らせメールをお送りしております。