(5)自己申告制は、労働者による適正な申告を前提として成り立つものであるため、使用者は、労働者が自己申告できる時間外労働の時間数に上限を設け、上限を超える申告を認めない等、労働者による労働時間の適正な申告を阻害する措置を講じてはならないこと。また、時間外労働時間の削減のための社内通達や時間外労働手当の定額払等労働時間に係る事業場の措置が、労働者の労働時間の適正な申告を阻害する要因となっていないかについて確認するとともに、当該要因となっている場合においては、改善のための措置を講ずること。労働基準法の定める法定労働時間や時間外労働に関する労使協定(いわゆる36協定)により延長することができる時間数を遵守することは当然であるが、実際には延長することができる時間数を超えて労働しているにもかかわらず、記録上これを守っているようにすることが、実際に労働時間を管理する者や労働者等において、慣習的に行われていないかについても確認すること(1)自己申告制の対象となる労働者に対して、ガイドラインを踏まえ、労働時間の実態を正しく記録し、適正に自己申告を行うことについて十分な説明をすること(3)自己申告により把握した労働時間が実際の労働時間と合致しているか否かについて、必要に応じて実態調査を実施し、所要の労働時間の補正をすること。特に、入退場記録やパソコンの使用時間の記録など、事業場内にいた時間の分かるデータを有している場合に、労働者からの自己申告により把握した労働時間と、当該データで分かった事業場内にいた時間との間に、著しい乖離が生じているときには、実態調査を実施し、所要の労働時間の補正をすることいかがでしょうか。これらの措置を漏れなく適切に行うというのは、なかなかハードルが高いことがお分かりいただけるかと思います。(4)自己申告した労働時間を超えて事業場内にいる時間について、その理由等を労働者に報告させる場合には、当該報告が適正に行われているかについて確認すること。その際、休憩や自主的な研修、教育訓練、学習等であるため労働時間ではないと報告されていても、実際には、使用者の指示により業務に従事しているなど、使用者の指揮命令下に置かれていたと認められる時間については、労働時間として扱わなければならないこと(2)実際に労働時間を管理する者に対して、自己申告制の適正な運用を含め、ガイドラインに従い講ずべき措置について十分な説明を行うこと 労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン(平成29年1月20日策定)[pdf形式:157kb] リーフレット『労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン』[pdf形式:1,922kb] ※労働時間の状況・・・いかなる時間帯にどのくらいの時間、労務を提供しうる状態にあったかという概念。 労働時間の状況の把握は、タイムカードによる記録、pc等の使用時間の記録等の客観的な方法 や使用者による現認が原則となります。 労働時間とは何かを、定義からひも解いて整理をし、労働時間の適正な把握方法について説明します。そして、働き方改革関連法の改正により、今後企業に求められる責務がどう変化していくのか、その対処法についても解説していきます。 労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン(平成29年1月20日策定)[pdf形式:157kb] リーフレット『労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン』[pdf形式:1,922kb] All rights reserved.客観的な労働時間把握のため、以下の従業員に対し就労時間の管理方法を見直し・整備することが必要です。この「厚生労働省令で定める方法」というのが客観的な把握を行うためのポイントになります。厚生労働省令として、下記方法が定められています。勤務間インターバル制度とは?働き方改革による努力義務化や注目される背景、注意点を徹底解説!適切に労働時間把握を行い、従業員が働きやすい環境を作っていきましょう。従業員の労働時間は、「客観的な方法」によって把握・記録し、3年間保存する必要があります。管理職や裁量労働制を含むすべての従業員が労働時間把握の対象となります。 労働安全衛生法の改正により、「労働時間の客観的な把握」が義務付けられました。当記事では、客観的記録の方法から、労働時間を把握するために企業がすべき対応まで詳しく解説しているため、改正法にどう対応すべきかお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
労働時間の適正な把握のために 労働基準法により、使用者は労働時間を適切に管理する 責務を有していますが、労働時間の把握に係る自己申告制 (労働者が自己の労働時間を自主的に申告することにより 労働時間を把握するもの。以下同じ。
管理監督者の労働時間について、厚生労働省は、労働安全衛生法の省令を改正し、2019年4月から管理監督者(労基法41条2号)について、労働時間を把握することを企業に義務付けました。そのため、経営者の方や人事労務担当者の皆様は注意が必要です。 勤怠管理をする上で、業務負担が増えてしまうことが懸念されますので、効率よく労働時間把握をするため、今回紹介した社内制度の見直し・整備や勤怠管理システムの導入などを参考にしていただければ幸いです。今回の法改正により、企業側は従業員の労働時間を客観的に把握し、長時間労働などの問題が発覚した場合は医師との面談を行わせる必要があります。従業員の健康面の環境を良くする施策がメインです。Copyright © 2015 F&M co.,ltd. 労働時間の把握義務化が、労働基準法ではなく「労働安全衛生法」の条文に加えられ、また、一般の労働者のみならず管理監督者や裁量労働制の適用者にも労働時間の把握義務が適用されるのは、まさに「健康管理」という観点があるからに尽きます。事業者は、第66条の8第1項(*1)又は前条第1項の規定による面接指導(*2)を実施するため、厚生労働省令で定める方法により、労働者(次条第1項に規定する者(*3)を除く。)の労働時間の状況を把握しなければならない。「出勤簿」は「賃金台帳」、「労働者名簿」にならび「法定三帳簿」のひとつとされているものの、労働基準法上には出勤簿に関する個別具体的な定めはなく、「賃金台帳には労働時間数を記入しなければならず、また、残業代の計算も行わなければならないから、出勤簿の作成はその前提資料として当然必要になるものである」というような、回りくどい説明がされてきました。労働基準法の条文と紐づけるならば、第109条の「その他労働関係に関する重要な書類」のひとつに含まれていると解釈するしかありませんでした。もちろん比較検討や導入準備を行う時間も必要ですので、対応にあたっては可及的速やかな着手が望ましいと言えるでしょう。今回の法改正により、使用者は労働時間を客観的に把握し、長時間労働等が見られた場合は医師との面談を行わせなければなりません。本稿では、法改正の背景や、企業はどのように法改正に対応していくべきかについて解説させていただきます。また、未払い残業問題の表面化に加え、長時間労働による過労死や精神疾患も大きな社会問題となりました。「客観的方法による労働時間把握の義務化」の法改正が施行される2019年4月1日まで、あと2ヶ月ほどとなりました。自社の現状把握および法改正への対応準備を含めると、残された時間は多いとは言えません。このように今回、上記の「労働安全衛生法第66条の8の3」という条文が新たに定められたことにより、使用者が労働者の労働時間を把握しなければならない法的根拠が明確になったわけです。たとえば、「当社ではクラウド勤怠管理ソフトで勤怠管理をする」と決めた場合において、ひと口にクラウド勤怠ソフトと言っても、多種多様なソフトが存在します。しかしながら、長時間労働による過労死や精神疾患のリスクは、残業代の支払義務の有無に関わらず、管理監督者であれ、裁量労働制の適用者であれ、直面するものです。これまで、紙の出勤簿やエクセルシートなどで、労働者の自己申告に任せっきりにしていたり、紙の出勤簿に押印をするだけになっていたような場合は、どのような形で客観的な把握を実現していくのかルール決めが必要です。既にタイムカードなどを導入済の会社も、それが形骸化していないか、今一度確認が必要です。「健康経営」という言葉はあちこちで聞かれるようになったよう、従業員の健康管理はこれからの時代、重要な経営テーマであることは間違いありません。従業員からの情報収集にはじまり、面倒な手続き書類の自動作成、役所へのWeb申請も可能です。このような状況であったため、従来は「うちの会社は出勤したら出勤簿に押印するだけ」とか「管理監督者については残業代は関係ないから労働時間は把握しない」といったような状態も、曖昧な状況のまま実務上は黙認されてきたというような印象があります。大量の手書き作業や、転記ミスのチェック、役所へ出向くことも、窓口で並ぶことも、もう必要ありません。より具体的に言えば、職場への入退場を労働時間とするのか、パソコンのオンオフを労働時間とするのか、勤務開始・終了と同時にスマホやPCのアプリで打刻をして労働時間を把握するのか、など自社の業務や職場環境にあった労働時間の把握ルールを決めるということです。 あった場合、医師による面接指導を企業に義. 客観的な労働時間の把握とは〜「自己申告による労働時間の把握については、あいまいな労働時間管理となりがちであるため」という記載があるため、タイムレコーダのように無意識に打刻できる仕組みが望ましいとされています。 そもそも、企業が把握すべき「労働時間」とは、何でしょうか。労働基準法上、「労働時間」とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間とされています(平成12年3月9日最高裁第一小法廷判決 三菱重工長崎造船所事件)。そして、ここでいう労働時間に該当するか否かは、労働契約や就業規則などの定めによって決められるものではなく、客観的に見て、労働者の行為が使用者から義務付けられたものといえるか否か等によって判断されます。例えば、下記(1)~(3)のような時間は労働時間に該当するとされ … また、残業をする場合は申請を行い、上長の承認が無いと認めないという仕組みと併用することで在社時間と労働時間を明確に分ける運用も有用です。勤務時間を自己申告で記録させる運用は、遠慮や会社(上司)の圧力などから過少申告を行う傾向があります。この状態が続くと後になって未払い残業請求が発生し、高額な残業手当を支給しなければならない事態が発生する危険性も増します。また、企業の知名度によってはマスコミに取り上げられ、イメージの低下から売上げの減少、従業員確保が難しくなるリスクまで考えなければなりません。また、出社してすぐに打刻し、退社する直前に打刻すると仕事をしていない時間まで労働時間に含めなければならなくなり、残業手当が以前に比べ増えてしまうという問題がありますが、法律では在社している時間は労働しているのでは?と言う考え方がベースにあるため、運用上のルールで現実的な時刻に打刻をしてもらうルール作りが同時に必要になります。厚生労働省のHPでは「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」の中に、始業・終業時刻の確認及び記録の原則的な方法として「タイムカード、ICカード等の客観的な記録を基礎として確認し、記録すること」とあります。どちらにしても、手間をかけずに客観的な労働時間を把握するためには、タイムレコーダを導入することが一番簡単です。その上で、適正な労働時間管理を行うことが求められています。給与計算のためだけではなく労働時間管理のための勤怠管理システムが必要になります。つまり、出社したら無意識に出社打刻を行い、退社するときも無意識に打刻できる仕組みが有用です。例えば、必要以上に早く出社しない、仕事が終わったら速やかに退社するなど。「自己申告による労働時間の把握については、あいまいな労働時間管理となりがちであるため」という記載があるため、タイムレコーダのように無意識に打刻できる仕組みが望ましいとされています。または、在社時間と労働時間をみなしで運用する方法として、端数を切り捨てる(18:07退社打刻は18:00までの勤務など)運用をされている企業も多く見受けられますが、専門家と相談してルール決めを行うことをお勧めします。今や、サービス残業=頑張って会社に貢献していると言う考え方は古く、限られた労働時間の中でいかに成果を上げているか?を評価基準にする必要があります。