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肝っ玉おかみ・オソノさんの情にホロリ 『魔女の宅急便』名言＆名シーン第12位 【ＤＶＤ】『魔女の宅急便』監督：宮崎駿販売元：ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社発売日：2014年7月16日【本】『魔女の宅急便（福音館文庫 物語）』著者：角野栄子イラスト：林明子出版社：福音館書店発売日：2002年6月20日 この〝静寂な空間に１人でいる〟という情景が何とも言えず爽快なんです。１３歳の春の満月の夜、独り立ちすべく黒猫のジジと共に魔女の住んでいない町へと旅立つ。町の生活にも慣れ、宅急便の仕事も順調だった頃、ある「届け物」の仕事をしているさなかにトラブルが起きる。この場面が唯一、本作のストーリーのうちでの恋愛的な、ヒーローとヒロインの活躍シーンのように映ります。この暖かで平和な空気を盛り上げてくる、柔らかい人間模様を、ぜひ本作を観ながらご堪能下さい。はじめ〝魔女に対する人の反応〟がイマイチだったが、少し散策してみると歓迎してくれる人たちもいて、「海が見える」「自分を受け入れてくれる人もいる」という２択でその町に定住することを決めた。このときキキは魔力が弱まっていて、うまく箒に乗れず、空を飛ぶこともできませんでした。またそこで酌み交わされるさまざまな人間関係・人間模様・情感の交流といったものが、さらにそのキャラクター皆が立つ土台を盛り上げ、その生活模様もとても豊かに盛り上がってきます。私としてはこの〝空を飛んでする宅急便の仕事〟がとても羨ましく思え、自分もしてみたいなぁなんて理想に思ったほどでした。「海が好き」という人もけっこう多いと思いますが、そういう人には本作のこの「海の魅力」がストレートに伝わることでしょう。その様子を見ていたキキは、「自分なら空をひとっ飛びして忘れ物を届けることができる」と思い、おソノに「私が届けてきましょうか？」と訴え出る。キキにあまり相手にされなくなったとんぼは、ある日、飛行船の打ち上げに立ち会う目的で打ち上げ場にまで行き、そこでトラブルに巻き込まれるような形で飛行船にぶら下がってしまい、そのまま飛行船に引きずられて空に飛び立ってしまいます。ジブリ映画ではよくありますが、人と自然との共存というか打ち解け合いのような場面が本作でもあり、それが何ともナチュラルな臨場感を出していて感動的です。このような自然（鳥）と人とのコラボ演出にも暖かさがあり、このような自然と人との「現実的に土台を共有しているところ」がジブリアニメ特有の世界観とも言えるでしょうか。出逢い１つにしても、純情、純朴、青春期の葛藤の全てがクリアに演出されている点が見事です。この父親と娘の交流の様子がありありと出ているこのシーンも本作の人間模様を培う重要な場面ですので、ぜひご堪能下さい。コリコの町で知り合った〝育ちのよいイイとこの猫〟と懇ろになり、しばらく恋愛に勤しむ。とんぼはキキを見るやすぐに「すっげぇ～～！かっこいいな～～！」などとあこがれの目で見、それ以降も何かとキキに気が行ってしまう〝青春を活きる少年〟の像を垣間見せてくれます。人と空と動物と神秘的なストーリーが共存している不思議な空間が、本作の魅力の土台を丈夫に仕立てていると思います。「本当の自分」を取り戻す、表現する、ということで、創作に挑戦しているウルスラと、魔法を忘れてしまっていたキキとの波長がしっくりときて、以降、キキとウルスラは親友のように仲よくなります。おソノさんもその旦那さんの存在も、あとそこにキキと一緒に居候するジジの存在感も、皆が密接・緊密な絡みを見せ合いながら、そこに登場するキャラクター全てが合わさることでこの「貴重な雰囲気」が生まれてきます。キキはコリコに着いてすぐに、とんぼという同じ年くらいの少年に出逢います。その広々とした世界観を１つの母体として、またさらなる冒険の旅へと出ていくような〝ストーリー展開の絶妙さ〟が、この『魔女の宅急便』という背景設定の奥行きをそのまま壮大なものに仕上げているのでしょう。その危機の模様がテレビで報道されており、その状況をちょうどキキは届け物をした先で見て知り、急いでとんぼを救うべく箒に乗り、そのまま飛行船の後を追っていきます。この旅立ちの前のストーリーも、何かとても暖かなムードが漂っていていい感じです。その不遇を克服するようにキキは「とんぼを救うべく」と、何とか箒を上手く操り、そのとんぼの窮地に飛び込んでいきます。この〝届け物〟をきっかけにして、キキはグーチョキパン屋の居候として「デリバリーサービス（魔女の宅急便）」を始めることになった。キキに比べてけっこう大人の雰囲気が漂うウルスラですが、このウルスラ、絵描きを目指しているのか、とても絵が上手なんです。空を飛びながらいろいろなドラマを楽しませてくれる本作の魅力は、本当に語っても語り尽せない底なしの感動があります。魔女の里に住んでいたキキは「１３で旅立ちをするという魔女の掟」という掟に従い、満月の夜、その里から人間の町へと旅立った。そのときのパニックやトラブルを懸命に避けようとするキキの躍動感が、やはりジブリアニメの真骨頂、絶妙な動きが冴えていい感じです。コリコの町へ着いてからキキが何度か飛んで近づく時計塔ですが、この時計塔の時計盤という本来なら人が決して近づけない場所・空間に、悠々と飛んで行くキキの自由な様子がとても自在感を出していて痛快です。映画、アニメ、ドラマ、原作文庫本のレビューや無料動画＆電子書籍の紹介キキがコリコに着いてすぐに、まるで交通事故に遭いそうな感じでキキの箒はなかなか言う事を聞かず、いきなり急降下してしまい、町中を走る車やバスやトラックとぶつかりそうになってしまいます。私は本作を学生の頃から観ていますが、それから今まで何度も何度も観直してきて、それほど「興味深さ」と「感動」が募り募ってくる作品です。ぜひ本作に隠されたこの「臨場的・神秘的な魅力」を実際にご覧になってご堪能下さい。キキが修業のために町へ旅立ったときには、少し寂しそうな表情をしていた。かなり四苦八苦しながらのスリル満点なシーンですので、ぜひこの場面までのストーリーをよく吟味しながらその感動を追ってみて下さい。太陽や月に照らされてキラキラ光る海…、また夜の静寂の空間を飛んでいるそのすぐ真下に見えるきれいな海…、また何か未来への希望を見せてくれる信頼感のある海の姿…、そのどれをとっても美しい海の存在感は、本作を彩る〝メインキャラ〟の１つになっていることでしょう。ラジオをつけながら飛んでいたキキの様子も「夜の静かな空をまるでドライブしている」ような感覚でとても感動的です。この辺りのスピーディな展開が非常に「見せ場」を作ってくれて、なおかつ人物と乗り物・建物とのコラボ演出をなおリアル感をもって届けてくれます。そんな折りに絵が得意な女友達・ウルスラと出会い、交流を深める。何とも不思議で、とても魅力のあるこの世界観を、ぜひ実際にご覧になってお確かめ下さい。この出会いのシーンからのウルスラとキキの「不思議なサークル」を想わす臨場感が、何か自由で優しい空間を感じさせてくれ、本作のキャラクターが醸し出す魅力のうちの大きな要素になっています。
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